東京大学学生支援センター
Student Support Centre, UT
2010 東京都文京区
学生ラウンジやディスカッションルーム、学生のサポートセンターなどを収容するいわゆるスチューデントセンターである。敷地は大正期の化学館や江戸期の三四郎池に隣接した歴史地区にある。建物の理学部側には昭和初期のファサードが、病院通り側の角には明治期の工科大学の部品が使われた入り口が残されていて、モールを整備した平成元年の芦原義信先生による改修改築を含めると、この建物には明治から昭和、平成と三代にわたる歴史が重層している。 計画では歴史的ファサードと新しい建物を一体化、古い意匠と新しい意匠を曖昧に溶かし、周辺の歴史的な建造物や環境も巻き込んで、新旧が融合するような連続性の中に時代の違いや変化を感じられるような場をつくろうとした。 既存のファサード面は、褐色タイル、ゴシック風開口、縁取りモチーフ等を用いながらモール側の南面に回り込むにつれて、外廊下と全面ガラスという開放的な表情に変化してゆく。モールを飾る芦原先生好みの青と水色のタイルもそのまま内部に連続する。平成の改築で塞がれていた三つのアーチを出入口や開口として再生、動線や視線を交差させ、南北の関係を回復させた。 南側のルーバーは、日射を調整して空調負荷を下げる。上階に行くにつれて後退するボリュームは運動場越しに見る化学館への眺望を考慮したもので、モールから最上階まで続く一連のテラス群を生み出している。外部空間から発想した芦原先生へのオマージュでもある。
教育関連施設
延床面積:1,671㎡
構造・規模:RC造地上3階地下1階