東京大学医学部クリニカルリサーチセンター構想
Clinical Research Centre project, UT
2010 東京都文京区
医学部附属病院は一つの都市のようなもので、常に変容し続けている。病院自体は一通りの完成を見たが、臨床研究は未だ戦前の老朽建物で行われ、現代的な装備の新しい研究棟が望まれている。クリニカル・リサーチ・センターは、最初に空地を利用し建設し、以後、移転しながら次の建設を行い、最終的に延べ75,000㎡に達する大計画であった。ここでは診療科を超えた領域横断的な研究、さらに医学と他分野との連携も可能とする構造が求められた。 構想はパブリックスペースの違いによって三案ある。案に共通するのはヘビーな実験設備に対応する明快な設備系システムと、領域横断的な交流を促すパブリックスペースを随所に仕組むことである。 A案は南北に2棟を並べて配置し、その狭間の空間を一体的なパブリックスペース「アカデミックバレー」とするもので、南北両棟が外側にずれ重なることでバレーに広がりが生まれ、「ずれ」や「抜け」によって生じるテラス、コモンスペースによって「バレー」に多様な表情を与えようとした。 B案は南北に並べて配置した低層部と、それに直交する上層部が井桁状に重なる空間構成を持つ。上層部の向きが南北方向になったので「バレー」はより明るくなり、建物全体もルーバーで覆われ、屋外に半ば開かれた空間となった。 C案はL字型の棟を組み合わせていくことにより他の2案に比べよりインティメートなスケールのパブリックスペースをもつ案である。様々なレベルで内外のパブリックスペースやコモンスペースが立体的に繋がり、3次元的なパブリックスペースのネットワークとなっている。
研究施設
延べ床面積:75,000㎡
構造規模:SRC造地上9︎階地下2︎階